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高次脳機能障害
バイクを運転中に頭部に強い衝撃を受けたことにより、頭蓋骨骨折やクモ膜下出血などの頭部外傷を負った場合、受傷当初に意識を失うことがあります。
このような頭部に極めて強い衝撃を受けた場合、運良く頭蓋骨骨折等の外傷が治癒されても、脳の機能に障害が生じ、交通事故前と人格が変わったり、記憶喪失になったりすることがあります。これが高次脳機能障害です。
高次脳機能障害の代表的な症状
高次脳機能障害の代表的な症状として以下のような症状が多く見られます。
記憶障害
頭部に強い衝撃を受けることで記憶を司る脳機能に支障が生じたために、障害が生じた後では新しい情報やエピソードを覚えることができなくなり、記憶が保持されなくなります。そのため、記憶障害が発症後は、物忘れが極めて強くなり、何度も同じ質問を繰り返すようになります。
注意障害
長い時間集中を維持することが困難となり、注意が散漫になります。そのため、ある刺激に焦点を当てることが困難となり、ほかの刺激に注意を奪われやすい状態が継続します。当該障害が発症後は、一つの事に集中して作業を行うことができなくなります。
遂行機能障害
人間はある目的を達成しようと考えた場合、目的達成にむけた行動の計画を立てます。例えば、目的地に向かうためにどのような経路で行き、そのためには何が必要かを考え準備を行います。ところが、この障害が発現後は、行動の目的・計画の障害のために結果は成り行き任せか、刺激への自動的で、保続的な反応による衝動的な行動となります。ゴールを設定する前に行動を開始してしまうことから、計画的な行動ができなくなります。
社会的行動障害
当該障害が発症することにより、自分の感情である怒りや悲しみをコントロールすることが難しくなり、感情の浮き沈みが激しくなります。また、対人関係を構築することが難しくなり、人の心を考え、相手を思いやる事が難しくなり、人間関係にトラブルが生じやすくなります。
見過ごされてしまいやすい高次脳機能障害の立証は、容易ではありません
このような様々な症状が存在する高次脳機能障害における、最大の問題点は、被害者が高次脳機能障害になってしまっていることが見過ごされてしまうことです。
高次脳機能障害は脳の外傷が治癒されても残存する後遺障害であるため、頭蓋骨骨折やクモ膜下出血などによる死の危険から脱したために、家族も心から喜んでいた所に発症するのが高次脳機能障害です。そのため、人格が変わったことが後遺障害として気付かず、そのまま後遺障害等級申請を行わなかったために、全く賠償金を得られなくなるケースも存在します。
また、高次脳機能障害は、目に見える障害ではないことから、その立証は極めて難しく、医師ですらその検査や医学的診断ができないことさえあります。
このような専門的知識と長期間にわたるサポートを要する高次脳機能障害について、適切に解決し、十分な賠償金を獲得することは決して容易ではありません。
「バイク事故と高次脳機能障害」の問題は当事務所にお任せください
しかしながら、当事務所では担当スタッフと弁護士による事故・傷害部により、高次脳機能障害を患った被害者のために、集中的サポートが可能です。さらに、鹿児島市内にある高次脳機能障害を支援する施設での勉強会や研修に参加し、日々高次脳機能障害患者及びその家族が抱える問題を把握し、解決に努めています。このような当事務所の取り組みの結果、多数の高次脳機能障害になってしまった交通事故案件を解決してきた実績があります。
高次脳機能障害になってしまった場合、また高次脳機能障害の疑いのある御家族様がいらっしゃる場合、専門的知識を有する専門家に相談するかどうかが、まさしくこれからの人生を決定的に分ける事になります。
脳に重傷を負った方、また少しでも言動や態度が交通事故前と異なる場合には、高次脳機能障害の疑いがあります。このような場合には、すぐに当事務所にご相談下さい。