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骨折
バイクを運転中に交通事故に遭われた場合、運転手は強い衝撃を直接体に受けることから、体のどこかの骨を骨折することが多く見られます。
しかすると、皆様の中には幼い頃などに骨折した経験がある方もいらっしゃるかもしれません。そして、骨折をしても、患部を固定していればいつも綺麗に接合するために、骨折を重傷と思っていない方もいるかもしれません。
しかしながら、それは大いなる誤りです。骨折をした場合、常に元の状態に回復できる保障はなく、骨折をした場合、最悪患部に痛みが一生残存することになる危険性が十分にあるのです。
骨折で周りの組織が傷つけられ、後々まで痛みなどが残る場合があります
まず、骨折をすると、骨折をした場所に激しい痛みと強い腫れが生じます。
では、骨折をした場合に生じるこのような痛みや腫れは一体なぜ生じるのでしょうか?それは、骨折すると骨だけに傷がつくわけではなく、骨の周りの部分の組織までも損傷するために痛みや炎症が生じるからです。周りの組織というのは、血管や筋肉、靭帯、骨膜などのことを指します。骨が変形することで痛みを感じているわけではないのです。
そのため、骨折によって骨の周りの組織が傷つけられることにより、その症状が後々にまで影響を及ぼす危険性があります。特に、開放骨折とよばれる骨が皮膚を突き破る形での骨折等の場合、その骨折の過程で骨折部位の近隣の神経や血管を傷つけることも決して少なくありません。また、関節まで到達する骨折は通常、関節可動時の摩擦を減らすなめらかで丈夫な保護組織である軟骨の損傷も引き起こします。損傷を受けた関節軟骨は瘢痕を形成する傾向があり、変形性関節症や関節の可動域制限を生じさせる危険性があります。
このように、骨折は周辺組織を損傷する危険性があることから、交通事故により骨折をした場合、それがどのような骨折なのか、また後遺障害が残る可能性がある骨折なのか、慎重に見極める必要があります。
骨が適切に癒合しない場合も、痛みが残り続けることがあります
さらに、骨折が十分回復して体重や力を加えることが出来る状態になったとしても、骨折をする前と同様の動きをしようとすると、違和感を感じることが多くあります。
たとえば、手首の骨折は2カ月ほどである程度事故前のように手首を使うことが可能になりますが、その時点でも骨は再生中であり、未だ完治状態ではありません。最大1年間は強く握ると痛みを感じることもあります。高い湿度、寒さ、暴風雨といった気候の変化などにより、骨折をした患部に痛みやこわばりを感じる人もいます。
また、例え骨折をしたとしても、骨が綺麗に元の通りに接合すれば後遺障害が残存する心配はありません。しかしながら、適切な診断と治療を十分に行ったにもかかわらず、骨が適切に癒合しない場合もあります。こうした治癒がうまくいかないことを癒合不能といいます。
骨折は治癒に時間がかかる場合(癒合遅延)や、不完全である(変形癒合)場合もあります。手の舟状骨や股関節の一部のような特定の骨では、たいてい骨折時に血液供給が障害されるために治癒しにくい傾向があります。また、若者に比較し中年以降の年齢の方の骨折は治癒速度が遅く、綺麗に癒合されない可能性が高くなります。
このように、体の骨を骨折した場合、例え適切な治療を受けたとしても、常に綺麗に癒合するわけではなく、不完全癒合となり、負担をかけることで痛みが残り続けることが十分にあり得るのです。特に開放骨折、複雑骨折、剥離骨折、粉砕骨折等の重大な骨折をした場合、患部が事故前の状態に戻る保障は決してなく、神経損傷ないし疼痛残存により後遺障害が残ることは決して珍しくありません。
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