運行供用者責任について

運行供用者責任について

交通事故の被害者になってしまった場合、加害者に対して、治療費や休業損害、慰謝料、後遺障害逸失利益といった損害の賠償の請求をします。この場合の加害者は、加害車両の運転者であることが一般的です。

もっとも、加害車両の運転者と加害車両の所有者が異なる場合、加害車両の運転者だけでなく、加害車両の所有者も損害賠償責任を負うことがあります。自動車損害賠償保障法（以下「自賠法」といいます）３条は「自己のために自動車を運行の用に供する者は、その運行によって他人の生命又は身体を害したときは、これによって生じた損害を賠償する責に任ずる。」と規定しています。加害車両の所有者は「自己のために自動車を運行の用に供する者（以下「運行供用者」といいます）」に該当するとされる場合が多いのです。

該当する場合が多いと書いたのは、運行供用者にあたるか否かは、事実関係によって変わってくるため、所有者だからといって常に運行供用者に当たるとは限らないからです。

誰がどのような場合に運行供用者に当たるかという点については、裁判例が多く存在します。今後、このブログの中でご紹介させて頂くかもしれません。

なお、自賠法は、人身事故のみ適用があり、物損事故については適用されません。