1 交通事故証明書とは
交通事故証明書とは、交通事故の発生を確認したことを証明する書類です。各都道府県の自動車安全運転センターの事務所長が、交通事故の当事者が適正な補償を受けられるように、交通事故の当事者からの求めに応じて、交通事故の事実を確認したことを証明する書類として発行するものです。
2 申請方法
(1)警察に事故の届出を
交通事故証明書は、物損事故でも人身事故でも発行してもらえます。ただし、交通事故証明書を発行してもらうには、予め警察に交通事故の届出をしておく必要があります。警察に届出がない交通事故については、交通事故証明書は発行してもらえません。
交通事故証明書は、自賠責保険への請求の際にも必要になりますし、それ以外の保険金の請求の際にも必要なることがあります。また、交通事故証明書がないと事故の存在を立証することも難しくなります。したがって、事故が発生した場合、当事者の方は、人身事故、物損事故にかかわらず、必ず警察に届出ましょう。
(2)申請できる期間
人身事故の場合は発生から5年間を経過した事故、物損事故の場合は発生から3年間を経過した事故については交通事故証明書を発行できません。
(3)申請できる方
交通事故の当事者や交通事故証明書の交付を受けることについて正当な利益を由る者です。代理人による申請も可能です。
(4)どうやって申請するの
- 自動車安全運転センター窓口での申請
全国の都道府県には、自動車安全運転センターが設置されています。センターの窓口で申請用紙を提出し、交通事故証明書を交付してもらいます。その際に手数料600円を納める必要があります。 - ゆうちょ銀行、郵便局での申請
交通事故証明書申込用紙を用いて、ゆうちょ銀行や郵便局で交通事故証明書の発行を申請できます。交付手数料と払込料金がかかります。交通事故証明書申込用紙は、交番や警察署でもらうことができます。 - インターネットによる申請
自動車安全運転センターのホームページからインターネットで交通事故証明書の発行を申請できます(自動車安全運転センターのホームページ)。この場合も、交付手数料と払込料金がかかります。
注意点として、インターネットによる申請は事故当事者本人以外の方は申請できないこと、請求できるのは交通事故発生時に警察へ届け出られたご住所に、現在もお住まいの方に限られること等の制限があります。
3 交通事故証明書に関する良くある質問
- 交通事故で負傷したのですが、交通事故証明書の記載が物損事故になっています。
人身事故にするにはどうしたらよいでしょうか。 - 交通事故で受傷したことについて、医師に診断書を書いてもらってください。
病院が、警察提出用の定型の診断書を保管していることが多いです。
医師に診断書を書いてもらい、その診断書を警察署に提出してください。
後日、実況見分等が行われ、今回の交通事故が人身事故として取り扱われるようになります。
診断書の提出は、事故からできる限り早い方がいいです。 - 交通事故証明書でどちらの過失が大きいかわかるのですか。
- 交通事故証明書には、過失割合や詳しい事故態様は記載されません。そのため、当事者の過失割合はわかりません。
もっとも、交通事故証明書の当事者欄のうち、甲欄には、過失の大きい当事者が記載されていることが多いようです。 - 交通事故証明書を申請できる自動車安全運転センターは、事故が発生した都道府県の自動車安全運転センターだけでしょうか。
- 事故発生地の自動車安全運転センターだけでなく、全国の自動車安全運転センターの窓口で申請できます。