2025年8月27日
2025年8月27日
目次
「バイク事故の買い替え」でお困りの方へ。鹿児島で事故後の買い替えを進めるとき、最初の対応次第で結果が大きく変わります。保険会社の提示をそのまま受け入れる前に、やるべきことと、やってはいけないことを整理しましょう。
当事務所には、製造中止の人気大型車で「新車価格の10分の1=9万9,000円」と査定されたところ、市場データを用いて88万円まで適正化した解決実績があります。提示に違和感があるときは、まだ諦める必要はありません。
こんな不安はありませんか?
- 全損か修理かの判断があいまいで、買い替えを始めてよいタイミングがわからないです。
- 検分前に処分してよいのか不安です。
- 時価の提示が低すぎるように感じます。
- カスタムや付属品、ヘルメットの評価が抜け落ちないか心配です。
- 登録・納車・レッカー・保管などの実費は請求できるのか知りたいです。
- 自分の任意保険を使うべきか、等級や翌年保険料への影響が気になります。
- けがが重く、治療を優先しつつ物損手続きをどう進めるか困っています。
本記事では、以下の内容についてわかりやすく説明します。
- 事故発生後から直ちにやるべきこと・やってはいけないこと
- 「買い替え」か「修理」か? 保険会社の「全損」判断と正しい対処法
- 買い替え費用の賠償請求「時価が低い」と感じたときの対抗策
- 自分の任意保険は使うべきか? 弁護士費用特約の上手な活用法
- 鹿児島ならではバイク買い替え時の注意点
さらに、バイク事故は重症化しやすい傾向があります。物損よりも体を先に考え、治療の初動を遅らせないでください。
それでは、まず「事故発生後から直ちにやるべきこと・やってはいけないこと」を解説いたします。
事故発生後から直ちにやるべきこと・やってはいけないこと
事故直後からの初動で、その後の手続きが大きく左右されます。ここでは、交通事故発生後から直ちにやるべきことと、逆にやってはいけないNG行動を確認しましょう。
バイク事故の証拠保全:スマホで撮るべき5つのポイント
事故後はまず、自身や周囲の安全を確保したうえで警察に通報してください。
その後、できるだけ早く現場の証拠をスマホで記録します。以下の写真を撮っておくと、後の賠償交渉で有力な証拠になります。
- 自分のバイクの全体(ナンバープレートが判別できるように)
- 自分のバイクの損傷箇所(複数の角度から詳細に)
- 相手車両の全体とナンバープレート
- 相手車両の損傷箇所
- 事故現場の広範囲(道路状況、ブレーキ痕、信号や標識、位置関係など)
これらは過失割合の判断や損害額の裏付けに役立ちます。怪我の治療や救護が最優先ですが、可能な範囲で証拠を残しておきましょう。
やってはいけないNG行動3選
次に、事故直後に絶対に避けるべき行動を確認します。以下の3つは後々の交渉で不利になるため要注意です。
- 事故現場での示談
- 安易な修理依頼
- 証拠を残さない口約束
その場で示談してしまうと適正な賠償を受ける機会を逃してしまいます。修理を急いで依頼すると、事故の証拠が消えて保険会社とのトラブルになりかねません。口約束だけで済ませると、後から相手に約束を反故にされても証明できず、泣き寝入りにつながります。
すぐに手配すべき代車・レンタカーと費用請求の注意点
事故でバイクが使えなくなったら、早めに代車やレンタカーを手配しましょう。通勤や生活に必要で、相手に過失がある事故なら費用を請求できます。
ただし必要最低限の車種・期間にとどめ、高級車を借りるなど過度な出費は避けてください。領収書も忘れず保管しましょう。
バイクの「買い替え」か「修理」か?保険会社の「全損」判断と正しい対処法
バイクが大破した場合、「修理すべきか、それとも買い替えるべきか」で悩む方も多いでしょう。保険会社から「全損です」と言われても、正しく対処すれば損を防げます。この章では、経済的全損の基準と対処法を解説します。
修理費用が時価額を上回る「経済的全損」とは?

経済的全損とは、修理費用が事故直前のバイクの時価相当額を上回る状態を指します。この場合、賠償額の上限はバイクの時価相当額+買替えにかかる諸費用となります。
例えば、時価50万円のバイクに60万円の修理費がかかった場合、保険会社は全損と判断し修理費全額ではなく約50万円(+諸費用)までの賠償しか認めません。
どんなに愛着があっても車両の評価額を超える補償は受けられないのが原則です。
保険会社の判断を鵜呑みにしない!買い替えのタイミングを見極める方法
保険会社から「全損なので買い替えてください」と言われても、すぐに鵜呑みにしなくて大丈夫です。まずは修理見積額とバイクの時価額を照らし合わせ、どちらが高いか確認しましょう。修理費が時価額以下なら、本来その全額が賠償されるべきです。支払いを渋られたら理由を問いただして構いません。
逆に修理費が時価額を超える場合でも、提示額が市場相場より明らかに安いと感じたら、客観的な市場価格の資料を揃えて交渉に臨みましょう。
同じ車種・年式のバイクが中古市場でいくらで売られているか、インターネットの情報や専門誌のデータを示して「提示額は低すぎるのではないですか」と論理的に主張します。それによって保険会社が再検討に応じる可能性があります。
なお、保険会社との協議が済む前にバイクを勝手に廃車にしないよう注意しましょう。十分な証拠を残さず処分すると、後から損害を証明できなくなる恐れがあります。
バイクの買い替え費用の賠償請求|認められる範囲と損しないための交渉術
次に、実際にバイクを買い替える際の費用をどこまで賠償請求できるか、そして請求額を適正にするための交渉ポイントを見ていきましょう。
車両本体の価値:「時価額が低い」と感じた時の対抗策
保険会社の提示額に納得できない場合は、泣き寝入りする必要はありません。提示額が市場相場より明らかに安いと感じたら、客観的な市場価格の資料を揃えて交渉しましょう。
同じ車種・年式のバイクが中古市場でどの程度の価格で売られているか、ネット情報や専門誌のデータを示しながら「提示額は低すぎるのではないか」と根拠をもって反論します。保険会社もデータを示されれば、再査定に応じざるを得なくなるでしょう。
カスタムパーツ・付属品の価値を正しく評価させる方法(購入履歴・写真の重要性)
カスタムパーツや付属品も事故で壊れたなら、その分の補償を求められます。ただし保険会社は標準仕様の価値しか見ていないことが多いため、領収書や装着時の写真を示して積極的に主張しましょう。事故で壊れず再利用できるパーツは賠償対象に含まれない点に注意が必要です。
ヘルメットやプロテクターなど身につけていた物品が破損した場合も、忘れずに請求してください。購入時の領収書や破損箇所の写真があれば説明しやすくなります。
見落としがち?登録諸費用・納車費用も賠償対象になるケースとは
バイク本体の価格以外に、買い替えに伴って発生する費用も損害として認められる場合があります。見落としがちな費用も忘れずチェックしましょう。
- 新車・中古車購入時の登録費用(登録代行手数料、ナンバー交付料など)
- 購入時の税金(環境性能割など)
- 納車・輸送のための配送料
- 事故車のレッカー代や保管料
これらも賠償対象に含まれます。保険会社から案内されないことが多いため、漏れなく請求することが大切です。
代車費用はいつまで認められる?通勤・業務での必要性の示し方
代車費用が認められる期間は、事故後から賠償金を受領し新たなバイクを用意できるまでの必要最小限の期間です。無制限に借り続けられるわけではなく、賠償金受領後も長期間継続すると「早く購入できたはず」とみなされ、自己負担になる場合があります。
代車費用を確実に補償してもらうには、その利用が本当に必要であることを示すことが重要です。通勤や業務でバイクが欠かせない場合は、保険会社にその旨を説明しましょう。勤務先の証明書などがあると説得力が増します。
自分の任意保険は使うべき?弁護士費用特約の上手な活用法
相手方からの賠償を待つ以外に、自分の任意保険(車両保険)を使って修理・買い替え費用をまかなう方法もあります。また、示談交渉には弁護士費用特約が役立つ場合もあります。ここでは、それぞれのメリット・デメリットと活用法を解説します。
メリット・デメリット比較
自分の車両保険を使えば、示談を待たずに修理費や購入費を受け取れるため、早期にバイクを入手できるメリットがあります。一方で等級ダウンによるデメリットもあります。車両保険を使うと翌年以降の保険料が上がり、数年間割増が続くため、長期的には出費が増える恐れがあります。
早く解決できるメリットと保険料アップというデメリットを踏まえ、どちらを優先すべきか検討しましょう。相手からの賠償が期待できない場合(無保険など)は車両保険の利用も選択肢に入ります。逆に、相手側の保険で確実に支払われる見込みが高いなら、等級維持のため使わずに済ませる方が得策です。
弁護士費用特約が役立つ3つのケース
ご自身の任意保険に弁護士費用特約が付いている場合は、ぜひ活用を検討してください。弁護士費用特約を使えば、弁護士への依頼費用を保険会社が負担してくれます(上限額あり)し、等級にも影響しません。特に次のようなケースでは強い味方となります。
- 提示額が低すぎる場合
- 過失割合で争いがある場合
- 相手が無保険の場合
これらのケースでは弁護士が介入することで有利に解決できるケースです。弁護士費用特約を使えば自己負担なく依頼できるので、積極的に活用しましょう。
当事務所でのバイク事故の解決事例の一例
鹿児島県の50代男性が、大型自動二輪車を運転中、普通貨物自動車と出合い頭に衝突し、大型自動二輪車が経済的全損となった事案です。

1. 事故発生
依頼人が大型バイクを運転中、交差点に差し掛かったところで、一時停止義務に違反したトラックが交差点に進入し、依頼人のバイクと衝突しました。依頼人は、トラックとバイクに足を挟まれた後、路上に横転し、意識不明のままドクターヘリで搬送されましたが、右足第1指欠損等の傷害を負いました。
2. 相談・依頼のきっかけ
依頼人が当事務所にご相談されたのは事故から約1カ月後のことで、依頼人はまだ入院中でした。
依頼人は、事故後ずっと入院していたため、愛車のバイクの状況も確認できておらず、修理が可能か否かも分からないという大きな不安を抱えていらっしゃいました。また、相手方の保健会社からは、バイクの時価額として9万9000円という提示がなされており、思い入れのあるバイクにこのような査定がなされたことについてもショックを受けておられました。
治療に専念したいので、まずはバイクを含む物損の交渉に入って欲しいとのご希望から、弊所での受任に至りました。
3. 当事務所の活動
依頼人のバイクについて、相手保険会社は修理費用の見積りを取得したうえで、車両の時価額を算定し、修理費用が時価額を上回っていることからバイクの損害に関する賠償は、車両時価額の賠償で足りるという主張を行っていました。
担当弁護士は、相手保険会社が取得した修理費用の見積りの正当性を確認した上で、相手保険会社が用いた時価額の算定方法は正当ではないと主張し、正当な方法により算定した時価額での賠償を求めて交渉を開始しました。
4. 当事務所が関与した結果と解決のポイント
依頼人のバイクは、既に製造が中止された車両であり、市場流通性が低いものでした。相手方保険会社はこれを理由として、本件車両の市場価額を算定することは困難であるとして、本件車両の新車販売価格の10分の1に当たる9万9000円を時価額として算定しました。
しかし、市場流通性が低いといっても、インターネット上の中古車販売サイトで本件バイクと近しい登録初年度、走行距離を入力して検索を行うと10台以上が該当し、本件バイクの状態がこれらの車両と比較して大きく劣るという事情もなかったため、担当弁護士は、これらの車両の平均金額を本件バイクの時価額として主張しました。
このとき、本件バイクは、製造中止となった後も根強い人気を誇る車種であったことから、査定において不利な条件(初度登録年が古い、走行距離が多い等)で検索対象の拡張を行ったとしても、平均金額がそれほど変わらないという点を活かし、検索対象を拡張し、該当する車両を増やすことで平均金額に説得力を持たせることとしました。
結果として、相手方保険会社もバイクの車両時価額を88万9292円と認め、最初の提示額の約9倍に当たる金額で示談を交わすことができました。

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【鹿児島ならではの注意点】バイク事故の手続きのポイント
離島や郊外エリアでの納車・輸送費用の考え方と相場
鹿児島県の離島(種子島、屋久島、奄美大島など)や郊外エリアにお住まいの場合、バイクを買い替える際に数万円のフェリー代や陸送費が別途発生することがあります。
この輸送費は、「事故がなければ発生しなかった費用」として、原則として相手方の保険会社に請求できる損害です。事故と相当因果関係のある損害と認められる可能性が十分にあります。
ただし、請求の際には「なぜその費用が必要だったか」を客観的な証拠で示すことが重要です。
- 輸送費用の見積書、領収書
- 住民票など、離島や郊外に居住していることを示す書類
これらの書類を必ず保管し、交渉に備えましょう。もし保険会社が「不必要な費用だ」などと主張し支払いを渋る場合は、弁護士にご相談ください。
バイクの買い替えでよくある質問(FAQ)
最後に、バイク事故後の買い替えに関して寄せられることの多い質問と回答を紹介します。
Q.全損の基準は保険会社が一方的に決めるのですか?
A.全損かどうかは、修理費が車両の時価額を上回るかどうかで決まります。保険会社が勝手に決めることはできません。
Q.相手が無保険の場合はどうすればよいですか?
A.相手が任意保険に未加入で、十分な支払い能力がなければ回収は困難です。その場合、自分の車両保険で先に補償を受けるか、弁護士に依頼して訴訟で請求するといった方法があります。相談しましょう。
Q.ローンが残っているバイクが全損になったらどうなりますか?
A.バイクのローンが残っていても、全損になったからといって返済義務は消えません。賠償金は時価額が上限のため、残ったローンとの差額は自分で払い続けるしかありません。手元にバイクがないのにローンだけ残る理不尽ですがやむを得ません。
少しでも損失を減らすには、賠償額をできる限り適正な水準まで引き上げるよう交渉することが大切です。
【重要】物損の前にまず体を最優先に|バイク事故は重症化のリスクも
バイク事故では、物の損害よりもケガの対応を最優先にすべきです。二輪車は事故の際に運転者が直接衝撃を受けやすく、重症化のリスクが高い乗り物でもあります。
物損の交渉に気を取られ、治療開始が遅れる危険性
愛車のことが気がかりなあまり、治療を後回しにしてしまうのは大変危険です。事故直後は興奮状態で痛みに気づかなくても、実際には骨折や内出血など重大な怪我を負っている可能性もあります。治療開始が遅れると症状が悪化し、後遺障害が残るリスクも高まります。
まずは必ず病院で医師の診察を受け、必要な治療を開始してください。物損の交渉や手続きは後からでも対処できますが、体の治療は時間との勝負です。保険会社とのやり取りよりも自分の身体を優先しましょう。
治療に専念するためにも、交渉は弁護士に一任を
大けがを負ったときは示談交渉を弁護士に任せ、治療に専念しましょう。保険会社とのやり取りを代理してもらえば負担が減り、賠償金も適正に確保しやすくなります。
鹿児島のバイク事故・買い替え問題は弁護士へご相談ください
弁護士法人グレイスでは交通事故の無料相談を実施しております。保険会社の提示額が適正かどうかの診断や、今後の手続きの進め方について弁護士がアドバイスいたします。ご依頼いただければ、保険会社との交渉を弁護士に一任でき、治療や生活再建に専念できます。
交通事故案件の経験が豊富で、地元事情も踏まえた適切な解決策をご提案いたします。「提示額に納得できない」という方も、ご相談ください。サポートします。