2021年7月7日
2021年7月8日
TSマークについて
以前に、自転車特有の保険として、TSマーク付帯保険があるという記事を掲載しました。本日は、TSマーク付帯保険について詳しく書きたいと思います。
まず、TSマークとは、自転車安全整備士による点検・整備を受けた普通自転車に貼付されるマークです。TSマークの貼られている自転車による交通事故で、被害者が死亡したり、重度後遺障害を負った場合、その交通事故がTSマークに記載されている点検整備の日から一年以内に発生したものであれば、被害者は一定の金額の賠償を受けることができます。
被害者に支払われる金額は、TSマークの種類によって異なります。TSマークには、赤色と青色があり、赤色TSマークでは、被害者が死亡したり、重度後遺障害(後遺障害等級1級~7級相当)を負った場合には、5000万円を限度に賠償金が支払われます(平成26年10月1日以降に点検整備を行い、貼付された赤色TSマークの補償内容です)。また、赤色TSマークの場合には、被害者が15日以上入院した場合には、被害者見舞金として一律10万円が、被害者に対して支払われます(平成26年10月1日以降に点検整備を行い、貼付された赤色TSマークの補償内容です)。
一方で、青色TSマークでは、被害者が死亡したり、重度後遺障害(後遺障害等級1級~7級)を負った場合には、1000万円を限度に賠償金が支払われます。青色TSマークの場合、被害者見舞金はありません。
さらにTSマーク付帯保険には、TSマーク付き自転車の搭乗者自身が負傷した場合に保険金が支払われる傷害補償保険も付いています。赤色TSマークでは、搭乗者が死亡したり、重度後遺障害(後遺障害等級1級から4級相当)を負った場合には、一律100万円が支払われ、入院加療15日以上の傷害を負った場合には一律10万円が支払われます。
青色TSマークでは、搭乗者が死亡したり、重度後遺障害(後遺障害等級1級から4級相当)を負った場合には、一律30万円が支払われ、入院加療15日以上の傷害を負った場合には一律1万円が支払われます。
ただ、今回のセミナーは、介護事業主様以外の方にも是非聞いていただきたいです。
以上のように、赤色と青色では補償内容が大きく異なり、赤色の方が手厚い補償が受けられます。もっとも、どちらのTSマークも補償を受けられるケースが死亡や重度後遺障害を負った場合に限られてしまいます。自転車事故においても、重度には至らない程度の後遺障害が残ってしまう場合はありますし、そのような場合、保険に加入していないと高額な賠償金を自分で支払わなくてなりません。また、被害者に重度後遺障害を負わせてしまった場合は、TSマークの補償内容では賠償金を支払いきれないこともあるでしょう。
自転車の整備により、保険にも加入できるTSマーク制度は便利なものですが、補償内容が限定されている点に注意が必要です。
最近は、各保険会社において自転車用の保険を販売しています。TSマークだけでは不安な方は、保険会社の販売する自転車用保険への加入を検討してもいいかもしれません。