2021年9月8日
鹿児島県の交通事故速報について
1.鹿児島県の交通事故速報とは
鹿児島県の交通事故速報は、鹿児島県警察のホームページで確認することができます。このページには、鹿児島県内で発生した交通事故の情報として、交通事故日報と交通事故月報が掲載されています。テレビや新聞等でニュースになった大きな事故はもちろん、小さな事故であっても警察に報告があった事故については全て取り上げられています。
2.鹿児島県の交通事故日報・交通事故月報で何が分かる?
前日に発生した鹿児島県内での交通事故の件数を知りたいときは、交通事故日報を参考にすることができます。ここには、前日に鹿児島県内で発生した交通事故の件数や死傷者の数が掲載されています。そのほか、その時点での月の交通事故発生件数や死傷者の人数、交通事故の発生現場の管轄署ごとに整理した発生件数を確認することもできます。
交通事故月報では、より詳細な情報を確認することができます。
まず、1として、1ないし2か月前の時点での鹿児島県内での交通事故発生状況を確認することができます。事故発生件数や死傷者の数のみではなく、前年度の同月の事故発生件数、死傷者のほか、前年度と比べた増減数や増減率も記載されています。
このほか、交通事故で死亡した人については、更に詳細な統計が掲載されています。
まず、年度ごとの月別で比較した死者数の推移です。たとえば検索した月が9月であれば、その年や前年度の1月から7月頃までの各月の死者数を棒グラフで確認することができます。そのほか、過去5年間分の各月ごとの死者数についても表で確認することができます。
次に、2として、交通事故で死亡した人がどのような状態だったか(歩行中、自転車運転中など)、年齢、事故発生時間帯(日中か夜間か等)、曜日ごとの死亡者数、自動車に乗車中に死亡した場合のシートベルト着用状態、加害者に交通違反があった場合、その違反態様(信号無視なのかスピード違反なのか等)などについて、それぞれ別々に統計が作成されています。
さらに、3として、交通事故で死亡した人が若年者であった場合にはそのときの状態(歩行中か自転車運転中かなど)が表にまとめられています。
4として、死亡した人が高齢者であった場合、より詳細な統計結果が掲載されています。事故類型(人対車両なのか、車両対車両なのか等)や死亡した人の状態(歩行中かなど)のほか、事故発生時間帯と事故類型別で組み合わせた統計(どの時間帯にどのような事故類型が発生しやすいのかが分かります。)なども確認することができます。また、加害者の交通違反の有無や態様(信号無視など)や、死亡した高齢者が歩行者であった場合、どのような交通違反があったか(車両の直前・直後の横断や横断歩道外の横断など)も表にまとめられています。
3.鹿児島県交通事故月報の掘下げ~高齢者の事故について~
これらの表やグラフを確認することで、鹿児島県内での交通事故発生件数はもちろん、どのような状態で事故が発生しやすいのかを知ることができます。最近は、高齢者が被害者となってしまう事故が多いので、ここでは、そのような事故について掘り下げてみます。
先ほどの交通事故月報を見ると、事故類型(人対車両、車両対車両など)や、被害者が歩行中か自動車などの運転中かという点では、大きな差はありません。ところが、事故発生時間帯をみると、高齢者の場合、午前8時から午後12時までの間と午後4時から午後8時までの間の事故発生件数が多くなっています。この数字は、過去5年間にわたり、ほぼ横ばいです。また、被害者が歩行者であった場合、その違反態様として過去5年間、コンスタントに計上されているのが、横断歩道外の横断です。他方、運転者の違反態様として過去5年間、コンスタントに計上されているのが、安全不確認です。
これらの数字から推測できることは、高齢者が活動し始める早朝と帰宅時間帯である夕方頃に、周囲が薄暗いなど安全確認が困難である状況と、運転手の安全確認が不十分でという落ち度とが相まって、交通事故が発生しやすくなっているということでしょう。また、高齢者が横断歩道外を横断しているため、運転手の安全確認が横断歩道上よりも疎かになっているなどの事情も、事故の発生件数を上げている原因になりそうです。
このように、鹿児島県事故速報は、事故の起きやすい状況を知り、事故を未然に防ぐツールとして使うことができます。
皆さんも実際に確認してみて、ご自身なりの事故防衛策を考えて見られてはいかがでしょうか。