【31】左肩腱板断裂や中心性頸髄損傷の傷病を負って10級が認定された男性が、総額約1178万円の賠償を受けた事案(580万円増額)
性別・年齢 | 男性 |
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仕事内容 | 契約社員 |
事故状況 | バイク |
受傷内容 | 左肩腱板断裂 中心性頸髄損傷 |
後遺障害等級 | 併合10級 |
手続 | 示談 |
獲得金額 | 1178万円 |
事故発生
依頼人は、鹿児島市をバイクで走行していたところ、対向車線を走行していた普通乗用自動車が突然右折してきて、左肩腱板断裂や中心性頸髄損傷といった重傷を負いました。その後、依頼人は、懸命にリハビリをしたのですが、左肩に高度な可動域の制限が残ってしまいました。
依頼人が行政書士の先生の協力を得て後遺障害等級の認定申請を行ったところ、10級10号と14級9号が認定され、併合10級となりました。合わせて保険会社から賠償金額の提示もありました。
相談・依頼のきっかけ
依頼人は、当初は保険会社から提示された賠償金額で示談しようとしていましたが、行政書士の先生が保険会社の提示金額を確認したところ、適正な金額とは全くかけ離れていることが判明いたしました。
しかし、行政書士は一般的に交渉をすることはできないこと、依頼人自身が交渉したり交通事故紛争処理センターに示談斡旋を申し込むことは相当な労力を伴うこと、専門家に依頼したほうが早期に適正な金額で示談できると考えたことなどから、行政書士の先生の紹介で当事務所に相談に来られました。
当事務所の活動
依頼人が早期の解決を望んでいたこと、行政書士の先生が携わって後遺障害等級が認定されていたことから、認定された等級の精査は省略して、直ちに示談交渉に入りました。
当事務所が関与した結果と解決のポイント
依頼人は契約社員で治療期間中に契約満期となったためそのまま退職したことから、保険会社は当初、休業損害や後遺障害逸失利益について、低い金額を提示していました。
これに対し、労働法の知識も合わせて保険会社との交渉に臨んだところ、こちらの要求を全て飲むような形で示談となりました。
なお、本件は過失相殺されるような事故で、実際に相手の保険会社から受け取った金額は、以下の金額から過失相殺された金額でしたが、依頼人は人身傷害特約に加入していたため、過失相殺によって減額された分については人身傷害特約を活用して依頼人加入の保険会社から補償されています。
契約社員の場合、有期の雇用契約の非正規社員となりますので、契約社員の方が交通事故に遭うと、治療期間中に契約期間が満了し、そのまま退職となることが多いです。このような場合、外形的に見れば、契約期間の満了という交通事故とは無関係な事情によって退職となっていることから、退職後の給料の減滅について、休業損害や後遺傷害逸失利益として補償することを、保険会社が認めないことがあります。
しかしながら、その中身を聴取していくと、①もともと正社員だったのが会社都合で契約社員となり、その際に70歳までの雇用継続を会社が約束してくれていた、とか、②契約更新予定だったけど事故に遭ったので更新されなくなったとか、③もともと契約期間満了となったら転職する予定だったけど事故に遭って転職できなくなったとか、様々な事情を抱えている方が多いです。
そのような場合に、実質的な面も含めて判断した場合はさておき、外形的な面だけを捉えて契約期間満了後の休業損害や後遺障害逸失利益を補償しないというのは、明らかに不当です。
労働法上も、契約社員は原則として契約期間満了とともに雇用契約が更新されずに終了するけれども、複数回の更新を重ねて継続的に雇用され、実質的に正社員と変わらない雇用形態になっている契約社員の場合には、更新拒否に正当な理由が必要となります。 交通事故に遭って十分な就労ができなくなったという事情は正当な理由に当たってしまうため、契約社員が契約期間を満了してそのまま退職せざるを得なくなった場合であっても、休業損害や後遺障害逸失利益の請求を諦めてはいけません。 保険会社の説明の中には、ある面では正しいけれどもある面では間違っているという説明も多々含まれています。
後遺障害等級が認定された場合や保険会社から示談案の提示があった場合には、一度当事務所に相談に来られることをお勧めします。
【当事務所の示談交渉サポートを受けた場合と受けなかった場合の比較】
サポートなし | サポートあり | 備考 | |
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入通院慰謝料 | 127万円 | 245万円 | 1.9倍 |
後遺障害慰謝料 | 187万円 | 550万円 | 2.9倍 |
逸失利益 | 274万円 | 383万円 | 1.3倍 |
合計額 | 588万円 | 1178万円 | 2.0倍 |
交通事故でお困りの方はグレイスにご相談ください
いかがでしたでしょうか。
弁護士法人グレイスには交通事故に精通した弁護士が複数在籍しており、日々、交通事故に関する研鑽を重ねております。弁護士法人グレイスなら、長年に渡り培った交通事故に関する豊富なノウハウを駆使し、相談者様にとって最適と思われる回答を差し上げることが可能です。
不幸にも交通事故に遭われてしまった方がいらっしゃいましたら、お気軽に当事務所にご相談ください。