2021年7月7日
2021年7月8日
車の損傷の程度とむちうちなどの症状の大小との関係
鹿児島の弁護士の黒﨑です。今日は交通事故、というか物理のお話をしたいと思います。
交通事故に遭ってひしゃげた車を見て、「大きい事故だったんだな」「中の人は大丈夫だろうか」と思われる方は多いと思います。一方、車があまりひしゃげていなければ、「大した事故じゃなかったんだな」と多くの方は思われると思います
ですが、車のへこみ具合と事故の大きさ、ひいては人体に与える衝撃の大きさは、実は相関関係には無いのです。
もちろん、車の損傷の程度はむちうちなどの症状の重さを検討する際の一要素になります。ですが、車の損傷が大きいということは、実は車が衝突のエネルギーを吸収してくれたとも言えるため、その分人体に与える衝撃は軽減されるのです。
車の損傷が小さいということは、車が衝突のエネルギーを吸収せず、車内にいる人の体に衝突のエネルギーがかかってくるのです。その結果、車の損傷が小さいほうが、かえって重い後遺障害が残ったりします。このような現象は、物理でいうところの「エネルギー保存の法則」によって説明することができます。
交通事故に遭われた方は是非、車の損傷が大きくないからといって甘く見ることなく、しっかりと整形外科に通院治療に行かれてください。