2024年10月2日
2024年10月2日
目次
1.バイク事故後にまず行うべきこと:修理前の確認事項
バイク事故に遭われた場合には、突然のことでパニックに陥ってしまいがちです。また、大怪我をしやすいことから、その後の保険会社との交渉も大変なものとなりやすいでしょう。
バイク事故に遭われた場合には、修理前に、バイクの写真(特に衝突・接触箇所)を取っておくことが必要です。のちに裁判等で事故態様が争われた場合、ここで損傷箇所の写真を撮影するなど、証拠をどれだけ確保していたかによって有利・不利が大きく変わってしまいますから、注意が必要です。
また、修理費用が必ず全額支払われるとは限りません。修理費用が損傷前のバイクの時価を上回る場合には、いわゆる経済的全損という考え方から、バイクの時価相当額+買替えにかかる諸費用しか支払われません。このため、事故直前の損傷していないバイクの時価についても、確認をしておく必要があります。
2.バイク事故の修理費用の相場は?修理内容による費用の違い
さて、ちなみにバイク事故の修理費用の相場はどの程度なのでしょうか。
バイクは、自動車と衝突・接触することで様々な損傷をします。損傷具合にもよりますが、バイクの修理費用は、十数万円から百数十万円程度の間になることが多いです。
ちなみに、バイクに乗る方はお分かりのように、いわゆるバイクいじりとしてバイクの各種パーツを組み替えたりするなどしていた場合には、更に修理費用が大きくなることや、部品の買替え費用が高額になることもあります。
このように、バイクの修理費用は多額となることもありますので、過失割合・修理部分の妥当性・買替えパーツの購入費用の妥当性など、相手方と示談交渉する場合には、論点が多岐にわたります。このような場合には、早期に弁護士にご依頼をいただき、交渉を代理してもらった方が負担が減って良いでしょう。
3.保険を使った修理手続きの流れと注意点
ご自身が加入している車両保険を利用してバイクの修理を行う場合は、修理会社から保険会社に修理費用の見積もりの提出をしてから修理会社と保険会社との間で、修理費用についての協定を結ぶこととなります。場合によっては、保険会社のアジャスター(査定員)がバイクの損傷状況を確認しに来ることもあります。
このような流れで車両保険利用が進みますから、バイクをすぐに修理できるとは限らない点にご注意ください。バイクを通勤・通学に利用するなど、バイクがすぐに修理されないと生活に支障を来す場合には、代車特約などを利用して代車を借りることもご検討ください。
なお、事故の相手方が加入する保険を利用して修理を行う場合、バイクの修理費用(物損)については自賠責保険が使えない点に注意が必要です。相手方がいわゆる任意保険に加入していなかった場合には、相手方本人に修理費用を支払ってもらうこととなり、交渉相手も相手方本人となります。
4.バイク事故における修理のよくあるトラブル
さて、以下では、バイク事故における修理のよくあるトラブルについてご紹介いたします。
4-1 修理費用のトラブル
バイク事故では、上記のとおり、修理費用のトラブルが生じやすいです。特に、バイク本体とは別個に購入したパーツの再購入費用などが問題となりやすいです。また、修理箇所の妥当性(本当に交通事故によって生じた損傷といえるか)も問題となります。
これらのトラブルを回避するためにも、事故後は、できるだけ早めに修理工場等で修理費用の見積もりを受け取るとともに、車両の損傷箇所の写真をとるようにしましょう。ちなみに、相手方が刑事手続において正式起訴された場合には、あなたが被害者として、捜査機関が作成した証拠を謄写(コピー)することができる可能性がありますので、覚えておきましょう。
また、修理費用の方が車両価格よりも高額となってしまった場合には、車両価格に車両買替えの諸費用を足した金額までしか、賠償を受けることができません。このような場合には、車両価格を不当に安く評価されることのないように注意が必要です。
4-2 保険会社との交渉トラブル
相手方保険会社との間でバイクの修理費用の支払を受けるために交渉する際にも、トラブルとなりやすいです。相手方保険会社は、ある意味で交通事故に関する交渉を多く扱っていますから、相手方保険会社に有利に交渉を運ばれないように注意してください。
また、相手方保険会社からの連絡がなかったり、異常に遅かったりすることもあります。このような場合には、相手方保険会社に対して担当者変更を申し入れるなどする必要があることもあります。
いずれにしても、交渉ごととなりますから、是非早期に、交通事故交渉のプロである弁護士へのご依頼をご検討いただくべきかと考えます。
4-3 過失割合を巡るトラブル
相手方本人や相手方保険会社との交渉において最も対立が激しくなるのが、過失割合を巡る部分です。上述のとおり、バイク事故においてはバイクの修理費用が高額になることが多く、かつ、バイクに乗車していた方が大怪我を負って多額の賠償金を要することが多いですから、過失割合が10%変わるだけでも大きな差額が生じることとなります。
このような場合には、事故態様や、どちらに運転者としての過失があったかという点について議論が生じる可能性があります。相手方保険会社の言うとおりの過失割合で良いのか、一度弁護士にご相談ください。
4-4 法律関係のトラブル
最後に、バイク事故において生じる法律関係のトラブルについてもご紹介します。バイク事故において交渉による解決をすることができなかった場合には、相手方に対する損害賠償請求訴訟を提起する必要が生じてしまいます。
このような専門的な法律関係のトラブルに関しては、まさに交通事故の専門家である弁護士の援助が必要不可欠です。
5.弁護士に相談して早期解決を
さて、以上のとおり、バイク事故について、修理費用を中心にご紹介しました。当事務所では交通事故案件を多数扱ってきた確かな実績があります。ぜひ、相手方本人・相手方保険会社の言い分を鵜呑みにすることなく、早期に当事務所へご相談をいただき、損害賠償の早期実現をしていただければと存じます。