2021年7月8日
2021年7月8日
一時停止線に一時停止義務があるか??
2021年4月18日鹿児島県霧島市隼人町姫路の信号機ない交差点において軽トラックとオートバイの事故があり、オートバイに乗車していた被害者が意識不明の重体となっているという交通事故がありました。報道によると軽トラック側に一時停止線があったとのことです。
このような痛ましい事故が無くなることが一番です。交通事故被害者側弁護士として「弁護士コラム」という形で情報提供を行いたいと思います。
今回のニュース速報を聞き、この交通事故について詳細については不明であるため詳細は割愛しますが、一般的な一時停線がある交差点での事故について解説します。
法的な停止義務がない?
皆さん、信号機のない交差点において白線で一時停止線(道路の路面に「止まれ」という文字と線)が引かれている道路を見たことがあるはずです。
この白線に一時停止義務があると思いますか?
答えは・・・「場合による」です。一時停止義務がない場合があります。
当然、路面に一時停止線と止まれとの記載があるため一時停止線義務があると思われたのではないでしょうか。
道路交通法43条には、「・・・道路標識等により一時停止すべきことが指定されているとき・・・」と規定がありますが、「路面の一時停止線と止まれの文字のみ」では道路標識等に該当せず、一時停止義務はありません。
赤い標識の「とまれ」との標識がある場合、赤い標識と一時停止線がある場合には一時停止義務が発生します。
信号機のない交差点において間違いやすい重要なポイントですので細心の注意を払ってください。
鹿児島県霧島市において発生した事故のニュースにおいては、一方に「一時停止線があった」という報道しかありませんので、一時停止義務があったかは不明です。
仮に、自動車の方に一時停止標識がある場合の事故であれば過失割合はバイク:自動車=15:85(両車とも同速度)、四輪が一時停止をしていた場合の過失割合はバイク:自動車=35:65となります(別冊判例タイムズ38【169】)。
今回は、過失割合についてご説明しましたが、意識不明の重体などを負った怪我の場合、適切な賠償金を得るためには初動が重要だと考えております。 類似する解決実績もご確認ください。
【36】高次脳機能障害、構音障害等の傷病を負ったバイク運転手が、総額約1億円の賠償を受けた事案