【110】鹿児島県の小学1年生の女児が自動車に轢かれ、鎖骨骨折、右上腕骨骨折、肺挫傷、肝損傷、PTSD 等の傷害を負い、併合１２級の後遺障害に認定された事案

【110】鹿児島県の小学1年生の女児が自動車に轢かれ、鎖骨骨折、右上腕骨骨折、肺挫傷、肝損傷、PTSD 等の傷害を負い、併合１２級の後遺障害に認定された事案

事故発生

依頼人が、通学のため、歩道を歩いていたところ、コンビニエンスストアの駐車場から車道に出ようとした加害車両に轢かれました。依頼人は、加害車両の下敷きとなり、鎖骨骨折、両上腕骨骨折、肺挫傷、肝損傷等の傷害を負い、救急搬送されました。

相談・依頼のきっかけ

事故から一月ほど経ったころに依頼人のご両親からご相談を受けました。依頼人が適正な補償を受けられるようにしてほしいとのご相談でした。
依頼人がまだ病院に入院中で、ご両親も病院から離れることができなかったため、当事務所の弁護士が病院に出張して、ご相談をお受けしました。

当事務所の活動

依頼人は、鎖骨を骨折しており、半年ほどで、骨折箇所が癒合したものの、鎖骨の変形と疼痛の後遺症が残存しました。そこで、鎖骨の骨折については、事故から半年で症状固定として、後遺障害申請を行いました。その結果、鎖骨の骨折については、鎖骨の変形及び疼痛が残存するものとして、12級5号の後遺障害等級が認定されました。
その他の傷害については、1年ほどの治療の結果、幸いにも目立った後遺症を残すことなく、治癒しました。しかし、依頼人は、本件交通事故の影響で、PTSDを発症しており、事故現場の通学路を歩けない等の生活上の支障が出ていました。事故から1年ほどPTSDの治療も行い、PTSDで後遺障害申請を行いました。その結果、PTSDについては、14級9号の後遺障害等級が認定されました。
これらの認定の結果、依頼人は併合12級の後遺障害等級となりました。
その後、認定された等級を前提に保険会社と交渉を開始しました。本件の争点は、後遺障害逸失利益です。鎖骨の変形という後遺障害は、労働能力に影響しないとも考えられており、逸失利益を否定する裁判例もあります。加害者側の保険会社も、逸失利益を極めて低く算定してきました。交渉では逸失利益について平行線をたどったため、紛争処理センターにあっせんの申立てを行いました。

当事務所が関与した結果と解決のポイント

紛争処理センターのあっせん手続においても、逸失利益が争点となりました。
保険会社は、鎖骨の変形に逸失利益は認められないか低額に留まるはずという主張をしてきました。これに対し、当事務所は、依頼人は女児であり、将来容貌にコンプレックスを感じ、進学や就労に影響する可能性があること、鎖骨の変形だけでなく、骨折部の疼痛も残存しており、この疼痛が将来軽減する可能性は少なく、将来の労働能力に影響することは明らかであること、PTSDも残存しており、将来の就労に影響する可能性が高いこと等を主張し、逸失利益が認められると反論しました。
最終的に、紛争処理センターの裁定手続により、鎖骨の変形について、労働能力喪失率7％、労働能力喪失期間67歳までという内容で、逸失利益を認定してもらうことができました。

【当事務所の示談交渉サポートを受けた場合と受けなかった場合の比較】

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