2021年7月8日
2021年7月8日
飲酒運転と自動車保険
2021年3月、鹿児島市内で、乗用車と軽自動車が衝突し、軽自動車の運転者が亡くなられるという大変痛ましい交通事故が発生しました。
報道によれば、乗用車を運転していた自衛官は飲酒運転をしており、危険運転致死罪で逮捕されたとのことです。乗用車を運転していた自衛官は、よく覚えていないと供述しているとのことですので、真相解明には今後の捜査が待たれます。
被害者の方には心からご冥福をお祈りいたします。また、ご遺族の方に対してもお悔やみを申し上げます。
ところで、事故の加害者が飲酒運転をしていた場合、被害者は加害者加入の任意保険会社から賠償金を支払ってもらうことができるのでしょうか。
この点、加害者自身に支払われる保険(搭乗者保険、人身傷害保険)については、約款上、飲酒運転の場合には保険金が支払われません。そのため、飲酒運転をして自損事故を起こし、自身が負傷したとしても、自分が加入している自動車保険から保険金を受け取ることはできません。
しかし、対人賠償保険、対物賠償保険については、重大な法令違反や重過失が免責事由とはなっていませんので、運転者(被保険者)の飲酒運転による事故の場合であっても、対人賠償保険、対物賠償保険は支払われます。これは、自動車保険の性質に被害者救済という考え方があるためです。すなわち、被害者の方は、加害者が飲酒運転であったとしても、加害者加入の任保険会社からしっかり賠償を受けることができるのです。
死亡事故については、賠償交渉以外にも、刑事裁判への被害者参加など、弁護士がご遺族のためにできることが多くあります。交通事故についてご不明な点やご不安な点等はぜひ弁護士にご相談ください。