交通事故が原因で、眼に後遺障害を負ってしまうケースもあります。眼の後遺障害は大きく2つに分類することが可能です。
交通事故により、失明に至ったり、視力が低下した場合、視力低下の程度に応じて後遺障害が認定されます。この場合の視力とは、裸眼視力ではなく、原則として眼鏡、コンタクトレンズ等を用いて得られる矯正視力のことを言います。
視力障害には、眼球の外傷を原因とするものと頭部外傷による視神経損傷を原因とするものがあります。後者の頭部外傷による視神経損傷を原因とするものについては、眼科だけでなく、神経内科や脳神経外科での診察も必要になることがあります。
視力障害の認定基準
両目が失明したもの
1眼が失明し、他眼の視力が0.02以下になったもの
両眼の視力が0.02以下になったもの
1眼が失明し、他眼の視力が0.06以下になったもの
両眼の視力が0.06以下になったもの
1眼が失明し、他眼の視力が0.1以下になったもの
両眼の視力が0.1以下になったもの
1眼が失明し、他眼の視力が0.6以下になったもの
1眼が失明し、又は一眼の視力が0.02以下になったもの
両眼の視力が0.6以下になったもの
1眼の視力が0.1以下になったもの
1眼の視力が0.6以下になったもの
私たちが物を見るとき、しっかりとピントが合ってみることができるのは、眼の調節機能が働いているからです。この眼の調節機能については水晶体が担っています。交通事故により、この調節機能が低下することがあり、低下の程度により後遺障害が認められることがあります。
もっとも、眼の調節機能は、年齢を重ねるにつれ、低下するため、55歳以上の被害者の方は等級認定の対象になりません。
調節機能障害の認定基準
両眼の眼球に著しい調節機能障害を残すもの
1眼の眼球に著しい調節機能障害を残すもの
眼球の運動は、眼を取り囲む3対の外眼筋によって維持されています。この外眼筋を損傷したり、その動きを支配する神経を損傷した場合、眼球の動きが制限され、ものが二重に見える複視といった症状が現れることがあります。眼球の運動が制限されることから、注視野(頭部を固定した状態で、眼球のみを動かして見える範囲)が制限されることもあります。
これらの症状が交通事故によって生じた場合、症状の程度によって、後遺障害が認定されます。
運動障害の認定基準
正面を見た場合に複視の症状を残すもの
両眼の眼球に著しい運動障害を残すもの
1眼の眼球に著しい運動障害を残すもの
正面以外を見た場合に複視の症状を残すもの
視野とは、眼前の一点を見つめているときに、同時に見ることのできる外界の広さのことをいいます。
眼で見た情報は、網膜から視神経を通して脳に運ばれますが、交通事故によりこの視覚伝達経路に損傷を受けると、視野に異常や制限が出ることがあります。半盲症、視野狭窄、視野変状といった症状があり、症状の程度により後遺障害が認定されます。
視野障害の認定基準
両眼に半盲症、視野狭窄又は視野変状を残すもの
1眼に半盲症、視野狭窄又は視野変状を残すもの
眼瞼を欠損した場合、欠損の程度により9級4号、11級3号、13級4号、14級1号が認定されます。
瞼を閉じたときに、角膜を完全に覆うことができない状態の場合、瞼に著しい欠損を残すものとして、単眼の場合は11級3号が、両眼の場合は9級4号が認定されます。瞼を閉じれば、角膜は完全に覆うことができるものの、白目が露出する場合は、瞼の一部に欠損を残すものとして、単眼で14級1号が、両眼で13級4号が認定されます。
また、瞼の欠損は、外貌の醜状障害として捉えることも可能です。
眼瞼の欠損の認定基準
両目の瞼に著しい欠損を残すもの
1眼の瞼に著しい欠損を残すもの
交通事故により、瞼の運動を支配する神経や筋肉が損傷した場合、瞼の運動が制限されることがあります。瞼には、閉じる、開ける、瞬きするといった運動がありますが、これらの運動が制限された場合、後遺障害が認められることがあります。
瞼瞼を閉じた時に、角膜を完全に覆えない状態、瞼を開いた時に、瞼が瞳孔を覆ってしまうような状態の場合は、瞼に著しい運動障害を残すものとして、単眼で12級2号が、両眼で11級2号が認定されます。
眼瞼の運動障害の認定基準
両眼の瞼に著しい運動障害を残すもの
1眼の瞼に著しい運動障害を残すもの
両眼の瞼の一部に欠損を残しまたは睫毛はげを残すもの
1眼の瞼の一部に欠損を残しまたは睫毛はげを残すもの
眼の後遺障害において、最も注意しなければならないことは、外傷に起因する他覚的所見によって、後遺障害の存在を証明しなければならないことです。
視力障害の場合では、視力検査を行い、事故前と事故後の視力を比べただけでは、後遺障害は認定されません。視力が低下していることだけでなく、視力低下の原因を明らかにしなければ、後遺障害等級は認定されないのです。
そのため、眼の後遺障害において、適正な後遺障害等級の認定を受けるためには、眼の後遺障害に詳しい医師の下で通院をし、後遺障害診断書を作成して頂く事が重要になります。
また、眼の後遺障害においては、眼の外傷が原因で後遺障害が引き起こされていない場合もあります。眼の後遺障害の場合、交通事故が原因の頭部外傷によって視神経を損傷し、眼の後遺障害になることもあるのです。つまり、適正な眼の後遺障害の認定を受けるためには、眼科だけでなく、神経内科や脳神経外科での診察も必要になるのです。
このような点に十分注意しながら対応しなければ、眼の後遺障害において適正な等級認定を得ることは難しいと言えます。
当事務所では、眼に後遺障害が残る可能性がある場合、適正な後遺障害等級の認定を得るために必要な方針をご提案させていただきます。眼に後遺障害が残るかどうか分からない場合であっても、交通事故に遭って眼に怪我を負ってしまった場合、眼に怪我は負っていないけど視力や視野に異常を感じられる場合はお気軽にご相談下さい。
事前にお電話にて相談日のご予約をお願い致します。
※スケジュールの関係上、お電話でのご相談は実施しておりません。ご予約のみとさせて頂いております。
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